短期間ですが、ご縁があって弁護士事務所で働く機会がありました。実際に働いてみてよかったことを共有したいと思います。
これから弁護士事務所で働いてみたい人は、参考にしてみてください。
採用時点では法律の知識不要。資格は必要?
弁護士事務所の事務員募集要項では法律の知識や資格は特に求められません。法学部卒業であることも特に求められていません。
新卒の募集ではなく、中途採用の事例が多く、必要とされるのはパソコンを使えることくらいです。仕事が事務なので、事務職の経験があれば、ないよりはいい、くらいです。
仕事の内容は?仕事の種類は多い。
仕事は弁護士の補助業務となっています。具体的には電話対応、来客対応、裁判所に書類を持っていく、裁判所から弁護士あての書類を代理で取りに行くことなど。
郵便物も毎日たくさん届くので、先生ごとに仕分け、開封をする。また、発送物も多い。遠方の裁判所への発送。依頼者や相手方への文書の発送。
弁護士は職権で戸籍謄本や住民票を取ることができるので取得依頼の業務。調査のために必要であれば、市町村あてに郵送で依頼する。相続関係で複数の市町村に依頼する場合も多く、手間と時間もかかる。
不動産の登記簿謄本や会社の謄本はネットで取得可能だが、戸籍謄本は自分の分を取る場合も役所の窓口で本人確認が必要だ。弁護士が取得する場合も弁護士会が発行した№つきの依頼書に取得の理由を記入して依頼しなければならない。不正に取得ができないようになっている。
役所では審査して問題なければ送ってくれるが、確認の電話が来ることもある。どの弁護士が何のために取得したかがわかるようになっている。
どんな仕事をするのか?訴状などの書類作成
弁護士の仕事の1つは簡単に言えばトラブルの解決。なにかトラブルがあり、普通の人では収集がつかなくなった場合は弁護士を通して解決する。
例えば交通事故、自動車どうしがぶつかって過失割合の折り合いがつかなくなる。補償金の金額で折り合いがつかなくなり、保険会社だけで解決、完結するのが難しくなった場合、弁護士が入って仲裁する、双方の意見を聞いて折り合いをつける。折り合いがつかなくなれば裁判になる場合もあります。
例えば離婚、お互いが離婚に同意して協議離婚となった場合はいいのですが、どちらかが離婚に応じない場合や離婚の条件が合わなくて、夫婦どうしの話し合いが決裂して、自分たちだけでは解決が難しくなった場合、離婚調停をする。
書類作成業務もある。裁判を提起するときの訴状、離婚調停の申立書を作成提出する。
事務所によっては事務員が書類を作成することもあるようですが、私が勤務していた事務所では原案は弁護士が作成し、事務員は誤字脱字のチェックや添付書類のコピー等、書類についても補助業務でした。
訴状や調停の申立書は紙の書類で裁判所に持参もしくは郵送がほとんどであるが、近い将来オンライン申請がメインになるかもしれない。
守秘義務 さまざまな事件があるが誰にも言えない
交通事故の補償のトラブル、代金未払いのトラブル、仕事上で起きた重大な事故
借金が払えなくなって自己破産するとき。
離婚調停。相続でもめたとき。
個人的なトラブルは、興味がわく案件もありますが、そこはじっとこらえて、家族にも言ってはいけません。見聞きしたことは自分の胸の中にとどめて墓場まで持っていかなければなりません。
大量のコピーと処分する書類も膨大
裁判が長くなると、書類が大量に増えていく。証拠書類が膨大になる。
日常的に大量のコピーをとらなければならないことも多かった。証拠書類を集めるため裁判所や検察庁に行って大量にコピーする仕事もある。
大量の書類があればそれを綴るのもひと仕事、案件が終了しても一定期間保管しなければならないので、管理保管にはスペースも必要。
書類によっては機密書類も多いのでシュレッダーをかけなければならない書類も多い。保管が終了した書類の処理も定期的に発生するので、書類の処分もひと仕事になる。
おすすめの仕事か?長く勤務すると専門性も身に付きいい仕事
弁護士事務所はできれば行かない方がいいところ。トラブルに巻き込まなければ行く必要がありません。普通の人は敷居が高い場所です。
事務員はあくまでも補助業務なので、弁護士を目指す人には向かないと思います。弁護士の仕事は司法試験に合格しなければできないので、スキルアップを目指すとか給料アップを目指す人には向かないと思います。
弁護士事務所は収入は安定しているので、事務員の給料は高くはありませんが、安定収入にはなると思います。景気変動により事務所の収入のアップダウンは少ないと思います。
もちろん事務所によるとは思いますが、長く勤めていけば弁護士の補助者としては有益なので、担当の弁護士さんと相性があえば働きやすいと思います。
私が出会った弁護士さんたちは、みんなまじめで頭が低く、仕事熱心で夜遅くまで残っていたり、休日も働いていました。やりがいはあり収入も決して低くはないでしょうが、弁護士の仕事は、自分で規制をしなければきりがない大変な仕事だと感じました。
事務の仕事を探している方の参考になれば幸いです。
2023年1月時点での情報ですのでご了承ください。
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